新年あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。
昨年は、多くの方々と出会うことができました。ありがとうございました。
お客様邸のほかに、同時平行で新外スタジオプロジェクトも進めておりました。
今日はその新外スタジオについての話をしたいと思います。
新外スタジオプロジェクト構想は、実は21年の12月からはじまっていました。
丁度2年前です。
初めてこの話が来た時、すごくわくわくした気持ちと、
何かが大きく変わってしまいそうな期待と不安とがありました。
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もともとの事務所は鉄骨造で、いかにもザ・事務所の風貌でした。
過去のブログでその時の様子が伺えます。
2階打合せスペースに続く階段はいかにもスクールチックのぺたぺたの床で、壁紙は剥げてボロボロ、
横には長くてつるつるの赤い手すりが付いていて、ノスタルジックでいいね、とはなんとも言い難いものでした。
伊礼智さんの著書「伊礼智の住宅設計作法」でこのような話があります。
「———僕もよほどのことがない限り、最初は事務所へ来ていただくようにしています。借家とはいえ、僕の仕事場に身をおいていただき、家具や照明の風合い、事務所の窓から見える風景、出てきたお茶の味、スタッフの雰囲気などが創り出す空気感を感じていただきながら打合せしたい…。
それは言葉では伝わりにくいものだと思います。もしかしたら、言葉にできないそんな情報の方こそ、僕が伝えたいことなのかも知れません。———」
事務所が新しくなる。
それはそれは、願っても無い機会です。
私たちを表すものとして、もっと私たちらしい建物にしたい。
言葉にできない情報として私たちが表現したいものは何だろう。
そんなことをぼんやり考えながらスタートしました。
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設計に入る前、まずはエスキースに取り掛かります。
エスキースとは、設計の原案やコンセプトを決める一連の思考作業のことです。
考えを書き出したり、スケッチを描いたり、ゾーニングをしたり。
ある人はゾーニングを飛び越えて実線で間取りを書きはじめたり、
ある人はそれも飛び越えてCADを先に入れ始めたり。
(直でCADを入れていたというのは、阿蘇の新民家に住む元ホームパーティ設計長の山上です。)
私はまず頭の中の考えを書き出し、整理し、ゾーニングに入ります。
ほとんどの人がこの作業を頭の中で行いゾーニングを始めるのですが、
私はかなりの不器用者なのでここでの作業が欠かせません。
こちらは当時思うままに書いたエスキースです。
多少変わった部分もありますが、
「過去」「現在」「未来」全てに焦点を当てたお家づくりをしていきたいという想いが
3つの建物を行き来する事で実現できるように、設計長の林田筆頭にプランを考えていきました。
物の積み重ねでできている建築が、記憶としてつながっていきますように。
細かい間取りや仕様。ディテールについてはまた別のお話で。
Ota